JOURNAL

小林和人が選んだもの 「スプレーボトルの話」

小林和人が選んだもの 「スプレーボトルの話」

2023/08/17

  ひとつの物について深く探っていくことで、物選びがグッと楽しくなる。この連載では、LOST AND FOUNDセレクター・小林和人さんが、このお店で選んだアイテムの中から毎回ひとつをピックアップし、とことん話します。 今回小林さんが話してくれたのは、考え尽くされた「GLORIA」のスプレーボトルについてです。 “専門道具”として信頼できる 小林さん:「GLORIA」と聞くと、ある歌が脳内に響き渡ってしまう世代ですが…(笑)。このブランドは、主に薬剤などの噴霧器を作っている、ドイツのメーカーです。雑貨的なスプレーというよりは、機能がしっかりとした、“専門道具”として信頼できるスプレーボトルですね。 ノンストップで噴霧できる 小林さん:最大の特徴は、トリガーを握っても放しても噴霧されるという、ダブルアクション構造。ノンストップで噴霧できるので、効率的ですよね。そして先端のノズルを回すことで、円錐状の噴霧から、鋭く直線的なウォーターガンに切り替えることができるんです。それによって、ガーデニングから掃除まで広く使い分けが可能です。他にも、底面はバンパーになっていて丈夫だったり、ストラップをつけられる部分があったり…細部まで気が利いています。 写真はPro05(0.5ℓサイズ)のボトル 長く使い続けることができる 小林さん:ボトル部分には目盛りがついているので、洗剤を入れる時には計りながら使えます。例えば、Pro05だったら0.5L(Pr010の場合は1.0L)の目盛りまで水を入れて、その少し上の左側にある2%のところまで洗剤を足すと、濃度2%の希釈液ができあがるという仕組みです。なんとも合理的ですね!ちなみに本体の素材であるポリエチレンはリサイクル可能、耐薬品、耐油性に優れているという特徴があります。プラスチックが敬遠される時代、使い捨ての容器などについてはもちろん考えなくてはならない課題もありますが、こういった長く使い続ける製品については適材適所ということも大事なのではないかと思います。 一点を狙うことができる! 小林さん:僕は、洗剤を希釈して店舗の棚を吹き上げるのに使っています。ウエス(布巾)に噴霧するときは円錐状に、直線的で勢いの良い噴射は、窓の桟やゴムパッキンの隙間を狙いたいとき、というように使い分けるのも楽しいんですよ。 掃除やガーデニングにおけるスプレーボトル選びにじっくり向き合う機会はそれほど多くはないかもしれない。しかしながら、もしも噴霧・噴射の“専門道具”を購入するときがきたなら、考え抜かれた機能を過不足なく搭載し、且つ飽きのこないデザインのGLORIAを是非一度手にとっていただきたい。 <記事内紹介商品> GLORIA スプレーボトル PRO05 0.5Lタイプ ¥2,970 小林 和人 @kazutokobayashi1975年東京都生まれ。1999年多摩美術大学卒業後、国内外の生 活用品を扱う「Roundabout」を吉祥寺にオープン(2016年に代々木上原に移転)。2008年には非日常にやや針の振れた温度の品々を展開する「OUTBOUND」を始動。両店舗のすべての商品のセレクトや店内ディスプレイ、展覧会の企画を手がける。「LOST AND FOUND」ではセレクターを務める。

小林和人が選んだもの 「スプレーボトルの話」

2023/08/17

  ひとつの物について深く探っていくことで、物選びがグッと楽しくなる。この連載では、LOST AND FOUNDセレクター・小林和人さんが、このお店で選んだアイテムの中から毎回ひとつをピックアップし、とことん話します。 今回小林さんが話してくれたのは、考え尽くされた「GLORIA」のスプレーボトルについてです。 “専門道具”として信頼できる 小林さん:「GLORIA」と聞くと、ある歌が脳内に響き渡ってしまう世代ですが…(笑)。このブランドは、主に薬剤などの噴霧器を作っている、ドイツのメーカーです。雑貨的なスプレーというよりは、機能がしっかりとした、“専門道具”として信頼できるスプレーボトルですね。 ノンストップで噴霧できる 小林さん:最大の特徴は、トリガーを握っても放しても噴霧されるという、ダブルアクション構造。ノンストップで噴霧できるので、効率的ですよね。そして先端のノズルを回すことで、円錐状の噴霧から、鋭く直線的なウォーターガンに切り替えることができるんです。それによって、ガーデニングから掃除まで広く使い分けが可能です。他にも、底面はバンパーになっていて丈夫だったり、ストラップをつけられる部分があったり…細部まで気が利いています。 写真はPro05(0.5ℓサイズ)のボトル 長く使い続けることができる 小林さん:ボトル部分には目盛りがついているので、洗剤を入れる時には計りながら使えます。例えば、Pro05だったら0.5L(Pr010の場合は1.0L)の目盛りまで水を入れて、その少し上の左側にある2%のところまで洗剤を足すと、濃度2%の希釈液ができあがるという仕組みです。なんとも合理的ですね!ちなみに本体の素材であるポリエチレンはリサイクル可能、耐薬品、耐油性に優れているという特徴があります。プラスチックが敬遠される時代、使い捨ての容器などについてはもちろん考えなくてはならない課題もありますが、こういった長く使い続ける製品については適材適所ということも大事なのではないかと思います。 一点を狙うことができる! 小林さん:僕は、洗剤を希釈して店舗の棚を吹き上げるのに使っています。ウエス(布巾)に噴霧するときは円錐状に、直線的で勢いの良い噴射は、窓の桟やゴムパッキンの隙間を狙いたいとき、というように使い分けるのも楽しいんですよ。 掃除やガーデニングにおけるスプレーボトル選びにじっくり向き合う機会はそれほど多くはないかもしれない。しかしながら、もしも噴霧・噴射の“専門道具”を購入するときがきたなら、考え抜かれた機能を過不足なく搭載し、且つ飽きのこないデザインのGLORIAを是非一度手にとっていただきたい。 <記事内紹介商品> GLORIA スプレーボトル PRO05 0.5Lタイプ ¥2,970 小林 和人 @kazutokobayashi1975年東京都生まれ。1999年多摩美術大学卒業後、国内外の生 活用品を扱う「Roundabout」を吉祥寺にオープン(2016年に代々木上原に移転)。2008年には非日常にやや針の振れた温度の品々を展開する「OUTBOUND」を始動。両店舗のすべての商品のセレクトや店内ディスプレイ、展覧会の企画を手がける。「LOST AND FOUND」ではセレクターを務める。

小林和人が選んだもの「トレーの話」

小林和人が選んだもの「トレーの話」

2023/06/13

ひとつの物について深く探っていくことで、物選びがグッと楽しくなる。この連載では、LOST AND FOUNDセレクター・小林和人さんが、このお店で選んだアイテムの中から毎回ひとつをピックアップし、とことん話します。 今回小林さんが話してくれたのは、「SEKISAKA」の万能トレーについてです。 気軽に使える、万能トレー 小林さん: SEKISAKAは1701年から福井県鯖江市で続く漆器業を前身とする株式会社セキサカのブランドで、同社は高度経済成長期には機内食用食器などの樹脂製品のOEM生産も手掛けてきました。その技術を応用して現代的に再解釈した"PLACE"は、家庭用としても業務用としても気兼ねなく使える万能トレーです。LOST AND FOUNDらしい、ベーシックな4色(ライトグレー、ベージュ、オレンジイエロー、ダークグリーン)を選びました。B5、A4、B4というサイズ展開が文具的で良いですよね。 マイケル・ジャクソンのダンスのごとく 小林さん:塗料を吹き付けたドリッピング模様が特徴なのですが、実はこの柄が滑り止めになっているんです。世代的には、どこまで斜めに傾けられるかというマイケル・ジャクソンの「Smooth Criminal」ごっこをしたくなる衝動に駆られます(笑)。お茶を出すときも倒れづらく安心ですし、子供のおやつにも良いですよね。見た目だけでなく機能を兼ねているからこそ、惹かれたトレーです。 念願の、SEKISAKAプロダクト 小林さん:SEKISAKAの代表・関坂達弘さんは、学生の頃から「Roundabout」によく来てくれていた間柄で、数年前に彼が会社を継いでブランドを立ち上げてからは展示会でずっと定点観測していました。この"PLACE"も以前から気にしていましたが、ドリッピングがただの模様ではなく、実は機能として必然性を伴っているという部分がLOST AND FOUND的なのではと思い立ち、導入を決めました。NIKKOの本社がある石川県とも北陸繋がりですしね。リサイクル樹脂素材という点でも、親和性を感じています。初めて仕事でも関わることができて嬉しかったです。 家族揃っての、朝食時間に 小林さん:"PLACE"のシリーズはLOST AND FOUNDで紹介する他の製品とも相性が良いんです。朝食にはREMASTEREDのオーバルプレートやタンブラーの白がよく映えますし、スープボウル13は実はシリアルボウルとしても最適です。子供のりんごジュースにはBormioli Roccoのホステリアシリーズで大人気分を味わせたり。家族それぞれが好きな色のトレーに、自分に合った器をのせて皆で食べる景色もまた良いでしょうね。全員のカトラリーをバサッと乗せただけでも、そのラフな感じが絵になるというか。“運ぶ”ことをよりスムーズに行うという、トレーとしての機能をしっかりと果たしながら、キッチンだけでなく、デスクやベッドサイドなどでも活躍してくれそうな汎用性の高さを持ち合わせている。加えて絶妙な色合いが独特で、新しい定番の仲間入りを後押ししている。SEKISAKAの万能トレー、プレゼントとしても喜ばれるはず! SEKISAKAのすべてのアイテムを見る 小林 和人 @kazutokobayashi1975年東京都生まれ。1999年多摩美術大学卒業後、国内外の生 活用品を扱う「Roundabout」を吉祥寺にオープン(2016年に代々木上原に移転)。2008年には非日常にやや針の振れた温度の品々を展開する「OUTBOUND」を始動。両店舗のすべての商品のセレクトや店内ディスプレイ、展覧会の企画を手がける。「LOST AND FOUND」ではセレクターを務める。interview & text...

小林和人が選んだもの「トレーの話」

2023/06/13

ひとつの物について深く探っていくことで、物選びがグッと楽しくなる。この連載では、LOST AND FOUNDセレクター・小林和人さんが、このお店で選んだアイテムの中から毎回ひとつをピックアップし、とことん話します。 今回小林さんが話してくれたのは、「SEKISAKA」の万能トレーについてです。 気軽に使える、万能トレー 小林さん: SEKISAKAは1701年から福井県鯖江市で続く漆器業を前身とする株式会社セキサカのブランドで、同社は高度経済成長期には機内食用食器などの樹脂製品のOEM生産も手掛けてきました。その技術を応用して現代的に再解釈した"PLACE"は、家庭用としても業務用としても気兼ねなく使える万能トレーです。LOST AND FOUNDらしい、ベーシックな4色(ライトグレー、ベージュ、オレンジイエロー、ダークグリーン)を選びました。B5、A4、B4というサイズ展開が文具的で良いですよね。 マイケル・ジャクソンのダンスのごとく 小林さん:塗料を吹き付けたドリッピング模様が特徴なのですが、実はこの柄が滑り止めになっているんです。世代的には、どこまで斜めに傾けられるかというマイケル・ジャクソンの「Smooth Criminal」ごっこをしたくなる衝動に駆られます(笑)。お茶を出すときも倒れづらく安心ですし、子供のおやつにも良いですよね。見た目だけでなく機能を兼ねているからこそ、惹かれたトレーです。 念願の、SEKISAKAプロダクト 小林さん:SEKISAKAの代表・関坂達弘さんは、学生の頃から「Roundabout」によく来てくれていた間柄で、数年前に彼が会社を継いでブランドを立ち上げてからは展示会でずっと定点観測していました。この"PLACE"も以前から気にしていましたが、ドリッピングがただの模様ではなく、実は機能として必然性を伴っているという部分がLOST AND FOUND的なのではと思い立ち、導入を決めました。NIKKOの本社がある石川県とも北陸繋がりですしね。リサイクル樹脂素材という点でも、親和性を感じています。初めて仕事でも関わることができて嬉しかったです。 家族揃っての、朝食時間に 小林さん:"PLACE"のシリーズはLOST AND FOUNDで紹介する他の製品とも相性が良いんです。朝食にはREMASTEREDのオーバルプレートやタンブラーの白がよく映えますし、スープボウル13は実はシリアルボウルとしても最適です。子供のりんごジュースにはBormioli Roccoのホステリアシリーズで大人気分を味わせたり。家族それぞれが好きな色のトレーに、自分に合った器をのせて皆で食べる景色もまた良いでしょうね。全員のカトラリーをバサッと乗せただけでも、そのラフな感じが絵になるというか。“運ぶ”ことをよりスムーズに行うという、トレーとしての機能をしっかりと果たしながら、キッチンだけでなく、デスクやベッドサイドなどでも活躍してくれそうな汎用性の高さを持ち合わせている。加えて絶妙な色合いが独特で、新しい定番の仲間入りを後押ししている。SEKISAKAの万能トレー、プレゼントとしても喜ばれるはず! SEKISAKAのすべてのアイテムを見る 小林 和人 @kazutokobayashi1975年東京都生まれ。1999年多摩美術大学卒業後、国内外の生 活用品を扱う「Roundabout」を吉祥寺にオープン(2016年に代々木上原に移転)。2008年には非日常にやや針の振れた温度の品々を展開する「OUTBOUND」を始動。両店舗のすべての商品のセレクトや店内ディスプレイ、展覧会の企画を手がける。「LOST AND FOUND」ではセレクターを務める。interview & text...

グレイッシュな日用品

グレイッシュな日用品

2023/05/08

今月のLOST AND TOKYO STOREのセンターテーブルは、”グレイッシュな日用品”がテーマ。今回、グレーの曖昧さに惹かれたという小林さん。小林さん:グレーモデルのBRAUNの時計の取り扱いをきっかけに、LOST AND FOUNDでセレクトしているアイテムの中にも程よいグレーのプロダクトが多いと気がつきました。グレーは、味気なさの象徴のように捉えられがちですが、実は幅のある表情豊かな色なのではないかと思います。温かみのあるものから、ひんやりとしたトーンのグレーまで、今回はその様な性格の異なるグレーの日用品を色々と揃えました。数あるグレイッシュな日用品の中から、新入荷のアイテムをご紹介いただきました。 静岡県で、成形合板(プライウッド)の技術で木工製品を作り続けるメーカー「SAITO WOOD(サイト―ウッド)」のダストボックス。高度な円筒成形合板技術から生み出されたシンプルで無駄のないデザイン。軽量で耐久性にも優れています。小林さん:私も敬愛する、プロダクトデザイナー藤城成貴(ふじしろ しげき)さんがディレクションされています。あえて木目を抑えたマットな仕上げ。様々な空間に溶け込むグレージュっぽいニュアンスも好みです。一回り小さいサイズは、LOST AND FOUNDが別注した限定サイズです。(以下、店頭のみ販売中)BASKET gray [tapered] (LAF888-SW01) ¥7,700 BASKET gray S [tapered] LOST AND FOUND 別注 (LAF888-SW02) ¥7,150 80年以上の歴史をもつ英国ブランドANGLEPOISE(アングルポイズ)。スプリング式の可動部により、あらゆる方向に光を向けることが可能になった、現在のデスクランプの始まりといえるランプです。小林さん:ANGLEPOISEは、テーブルランプの定番的存在のひとつですね。黒で空間を締めるのも素敵ですが、このロンドンの曇り空を思い起こさせるグレーも良いですね。デスクランプとテーブルランプで、それぞれ微妙にグレーのトーンが異なります。実際に店頭で見比べていただきたいです。(以下、店頭のみ販売中)Original 1227™ Mini DESK Dove...

グレイッシュな日用品

2023/05/08

今月のLOST AND TOKYO STOREのセンターテーブルは、”グレイッシュな日用品”がテーマ。今回、グレーの曖昧さに惹かれたという小林さん。小林さん:グレーモデルのBRAUNの時計の取り扱いをきっかけに、LOST AND FOUNDでセレクトしているアイテムの中にも程よいグレーのプロダクトが多いと気がつきました。グレーは、味気なさの象徴のように捉えられがちですが、実は幅のある表情豊かな色なのではないかと思います。温かみのあるものから、ひんやりとしたトーンのグレーまで、今回はその様な性格の異なるグレーの日用品を色々と揃えました。数あるグレイッシュな日用品の中から、新入荷のアイテムをご紹介いただきました。 静岡県で、成形合板(プライウッド)の技術で木工製品を作り続けるメーカー「SAITO WOOD(サイト―ウッド)」のダストボックス。高度な円筒成形合板技術から生み出されたシンプルで無駄のないデザイン。軽量で耐久性にも優れています。小林さん:私も敬愛する、プロダクトデザイナー藤城成貴(ふじしろ しげき)さんがディレクションされています。あえて木目を抑えたマットな仕上げ。様々な空間に溶け込むグレージュっぽいニュアンスも好みです。一回り小さいサイズは、LOST AND FOUNDが別注した限定サイズです。(以下、店頭のみ販売中)BASKET gray [tapered] (LAF888-SW01) ¥7,700 BASKET gray S [tapered] LOST AND FOUND 別注 (LAF888-SW02) ¥7,150 80年以上の歴史をもつ英国ブランドANGLEPOISE(アングルポイズ)。スプリング式の可動部により、あらゆる方向に光を向けることが可能になった、現在のデスクランプの始まりといえるランプです。小林さん:ANGLEPOISEは、テーブルランプの定番的存在のひとつですね。黒で空間を締めるのも素敵ですが、このロンドンの曇り空を思い起こさせるグレーも良いですね。デスクランプとテーブルランプで、それぞれ微妙にグレーのトーンが異なります。実際に店頭で見比べていただきたいです。(以下、店頭のみ販売中)Original 1227™ Mini DESK Dove...

小林和人が選んだもの 「タオルの話」

小林和人が選んだもの 「タオルの話」

2023/04/25

ひとつの物について深く探っていくことで、物選びがグッと楽しくなる。この連載では、LOST AND FOUNDセレクター・小林和人さんが、このお店で選んだアイテムの中から毎回ひとつをピックアップし、とことん話します。今回小林さんが話してくれたのは、身近な存在「Micro Cotton」のタオルについてです。 洗うたびに、風合いが良くなる 小林さん:90年の歴史を持つインド・シャラダ社のプロダクトです。アメリカ政府公館や専用機でも採用されているタオルなんですよ。最近は始めからふんわりした軽くて柔らかいタオルが好まれますが、ものによっては使っていくうちにへたってきたりすることもあると思うんですよ。でもこのタオルは密度感があって厚みもしっかりしていて、洗うたびに信頼感が増していきます。店頭で触った感触よりも、使いこんだ先の手触りの方が好きですね。 何役もこなす、万能アイテム 小林さん:頻繁に手を洗う今の時代、洗面所の手拭きタオルは気持ち良いものを使いたいですよね。これはしっかりと吸水性があるので、我が家のような四人家族でも大丈夫。大人数が集まる相撲の稽古場にも良いかもしれないですね。地厚なので、フェイスタオルはバスマットにもなります。小さいハンドタオルは赤ちゃんのげっぷタオルとしてもオススメ。出産祝いから十両昇進の記念品としてなど、贈り物にも喜ばれると思います。 扁平足予防トレーニングに必須!? 小林さん:実は最近、扁平足予備軍かもしれなくて。自分の店で靴の受注会をしたときに発見したんですよ。土踏まずに意識を集中したら、右のアーチが下がっているような…。靴の作家の方に話したら、「年齢とともに筋力が下がっているのかも」と言われました。ということで、足の指をグーパーグーパーするトレーニングを始めました。足でタオルを手繰り寄せるのが効果的で、「Micro Cotton」のミニバスタオルを使っているんですよ。弾力のあるタオルでないと適切な負荷がかからないから、これは扁平足予防トレーニングにぴったりなんです(笑)! “ラグジュアリー”改め、身近な存在 小林さん: LOST AND FOUNDでは、「Micro Cotton」の3つのラインのうち“ラグジュアリーシリーズ”を置いているのですが、“ラグジュアリー”という言葉に臆することなく、身近な存在として使っていただきたいですね。もちろん使用した時の満足感はしっかりあるのですが、決して仰々しいものではなく、日常使いのタオルとして位置付けて頂けたらと思います。白、黒、グレーの3色のモノトーンカラーもご家庭で使いやすいですね。なかでも、真っ黒のタオルは珍しいかもしれません。 店頭に並んでいる時点でしっかりとした厚みながらやわらかく、良さを感じていただけるはずだが、洗うたびにもっと風合いが良くなるという小林さんの言葉は、確かな実証を持っているからこそ。取材中に何度も洗濯をした愛用中のフェイスタオルを持参してくれた。誰もが人生の中で繰り返す、安心できるタオル選びの旅に、ようやく終止符がうてるはず! Micro Cottonのアイテムをすべて見る 小林 和人 @kazutokobayashi1975年東京都生まれ。1999年多摩美術大学卒業後、国内外の生 活用品を扱う「Roundabout」を吉祥寺にオープン(2016年に代々木上原に移転)。2008年には非日常にやや針の振れた温度の品々を展開する「OUTBOUND」を始動。両店舗のすべての商品のセレクトや店内ディスプレイ、展覧会の企画を手がける。「LOST AND FOUND」ではセレクターを務める。 interview & text by...

小林和人が選んだもの 「タオルの話」

2023/04/25

ひとつの物について深く探っていくことで、物選びがグッと楽しくなる。この連載では、LOST AND FOUNDセレクター・小林和人さんが、このお店で選んだアイテムの中から毎回ひとつをピックアップし、とことん話します。今回小林さんが話してくれたのは、身近な存在「Micro Cotton」のタオルについてです。 洗うたびに、風合いが良くなる 小林さん:90年の歴史を持つインド・シャラダ社のプロダクトです。アメリカ政府公館や専用機でも採用されているタオルなんですよ。最近は始めからふんわりした軽くて柔らかいタオルが好まれますが、ものによっては使っていくうちにへたってきたりすることもあると思うんですよ。でもこのタオルは密度感があって厚みもしっかりしていて、洗うたびに信頼感が増していきます。店頭で触った感触よりも、使いこんだ先の手触りの方が好きですね。 何役もこなす、万能アイテム 小林さん:頻繁に手を洗う今の時代、洗面所の手拭きタオルは気持ち良いものを使いたいですよね。これはしっかりと吸水性があるので、我が家のような四人家族でも大丈夫。大人数が集まる相撲の稽古場にも良いかもしれないですね。地厚なので、フェイスタオルはバスマットにもなります。小さいハンドタオルは赤ちゃんのげっぷタオルとしてもオススメ。出産祝いから十両昇進の記念品としてなど、贈り物にも喜ばれると思います。 扁平足予防トレーニングに必須!? 小林さん:実は最近、扁平足予備軍かもしれなくて。自分の店で靴の受注会をしたときに発見したんですよ。土踏まずに意識を集中したら、右のアーチが下がっているような…。靴の作家の方に話したら、「年齢とともに筋力が下がっているのかも」と言われました。ということで、足の指をグーパーグーパーするトレーニングを始めました。足でタオルを手繰り寄せるのが効果的で、「Micro Cotton」のミニバスタオルを使っているんですよ。弾力のあるタオルでないと適切な負荷がかからないから、これは扁平足予防トレーニングにぴったりなんです(笑)! “ラグジュアリー”改め、身近な存在 小林さん: LOST AND FOUNDでは、「Micro Cotton」の3つのラインのうち“ラグジュアリーシリーズ”を置いているのですが、“ラグジュアリー”という言葉に臆することなく、身近な存在として使っていただきたいですね。もちろん使用した時の満足感はしっかりあるのですが、決して仰々しいものではなく、日常使いのタオルとして位置付けて頂けたらと思います。白、黒、グレーの3色のモノトーンカラーもご家庭で使いやすいですね。なかでも、真っ黒のタオルは珍しいかもしれません。 店頭に並んでいる時点でしっかりとした厚みながらやわらかく、良さを感じていただけるはずだが、洗うたびにもっと風合いが良くなるという小林さんの言葉は、確かな実証を持っているからこそ。取材中に何度も洗濯をした愛用中のフェイスタオルを持参してくれた。誰もが人生の中で繰り返す、安心できるタオル選びの旅に、ようやく終止符がうてるはず! Micro Cottonのアイテムをすべて見る 小林 和人 @kazutokobayashi1975年東京都生まれ。1999年多摩美術大学卒業後、国内外の生 活用品を扱う「Roundabout」を吉祥寺にオープン(2016年に代々木上原に移転)。2008年には非日常にやや針の振れた温度の品々を展開する「OUTBOUND」を始動。両店舗のすべての商品のセレクトや店内ディスプレイ、展覧会の企画を手がける。「LOST AND FOUND」ではセレクターを務める。 interview & text by...

NEW LIFE, NEW TABLE 新生活を彩るテーブルアイテム

NEW LIFE, NEW TABLE 新生活を彩るテーブルアイテム

2023/03/09

3月のLOST AND FOUND TOKYO STOREは"NEW LIFE" がテーマ。センターテーブルでは、新生活を彩るテーブルウェアや日用品を揃えました。新生活におすすめしたいアイテムの一つ、「SEKISAKA」越前漆器の産地、福井県鯖江市の河和田地区で、約300年もの間、漆器業を 営んできた株式会社セキサカと国内外で活躍するデザイナーとの協働で、 商品開発を行うプロダクトブランド「SEKISAKA」。紙のような質感を持ったトレイのシリーズ"PLACE"のdripping collection。のトレイの取り扱いがスタート。ドリッピング柄が特徴的なトレイは、上に載せたものが滑りづらい「ノンスリップ効果」の機能も。機内用食器やトレイなどのOEM製造も長年手掛けてきた技術が光る一品です。日々の生活に活躍する、おすすめの使い方をご紹介します。 ペアカップとポットをそえて、ティータイムに。小林さん:ドリス・デイが歌う『Tea for To』を思い出しなが ら2人の時間を楽しんでみてはいかがでしょうか。 月兎印 スリムポット 0.7L ホワイト ¥4,620 REMASTERED タンブラー 7 ¥1,430 (以下、店頭のみ販売中) LAF486-SE02 SEKISAKA B5 Tray Beige(black non-slip)⁡...

NEW LIFE, NEW TABLE 新生活を彩るテーブルアイテム

2023/03/09

3月のLOST AND FOUND TOKYO STOREは"NEW LIFE" がテーマ。センターテーブルでは、新生活を彩るテーブルウェアや日用品を揃えました。新生活におすすめしたいアイテムの一つ、「SEKISAKA」越前漆器の産地、福井県鯖江市の河和田地区で、約300年もの間、漆器業を 営んできた株式会社セキサカと国内外で活躍するデザイナーとの協働で、 商品開発を行うプロダクトブランド「SEKISAKA」。紙のような質感を持ったトレイのシリーズ"PLACE"のdripping collection。のトレイの取り扱いがスタート。ドリッピング柄が特徴的なトレイは、上に載せたものが滑りづらい「ノンスリップ効果」の機能も。機内用食器やトレイなどのOEM製造も長年手掛けてきた技術が光る一品です。日々の生活に活躍する、おすすめの使い方をご紹介します。 ペアカップとポットをそえて、ティータイムに。小林さん:ドリス・デイが歌う『Tea for To』を思い出しなが ら2人の時間を楽しんでみてはいかがでしょうか。 月兎印 スリムポット 0.7L ホワイト ¥4,620 REMASTERED タンブラー 7 ¥1,430 (以下、店頭のみ販売中) LAF486-SE02 SEKISAKA B5 Tray Beige(black non-slip)⁡...

小林和人が選んだもの 「ALESSIの話」

小林和人が選んだもの 「ALESSIの話」

2023/03/06

ひとつの物について深く探っていくことで、物選びがグッと楽しくなる。この連載では、LOST AND FOUNDセレクター・小林和人さんが、このお店で選んだアイテムの中から毎回ひとつをピックアップし、とことん話します。 今回小林さんが話してくれたのは、長く愛用できるステンレス鍋・フライパン「ALESSI」についてです。 NIKKOとの歴史的な関わり 小林さん:ALESSIのデザイナーであるJasper Morrison(ジャスパー・モリソン)は、実はNIKKOと深い関わりがあるんです。2000年代初め頃にIDÉEから発売されていた『MUD COLLECTION』というプロダクトシリーズは、彼がデザインを手がけ、NIKKOのボーンチャイナを使って作られていました。NIKKOのデザイン室長が彼と打合せをした際、『柳宗理のプロダクトを製造している企業と仕事をするのは光栄だ』と言われたそうですよ。 造り手の体温を感じるデザイン 小林さん:Jasper Morrisonのデザインは、シンプルで余分な要素をそぎ落とした“調理道具然”とした感じもありつつ、そこはかとないエレガントさもあります。そのバランスが肝だと思います。鍋の蓋の持ち手は木べらを差して持ち上げる工夫が隠れています。深い鍋の側面はストンとした寸胴鍋のような形状ではなく、ほんの少しだけ、食欲をそそる美味しそうな丸みがあります。これは冷たいステンレスの製品だからこそ映えるデザイン。随所にデザイナーの体温を感じ、チャーミングな印象すら受けます。デザインも料理も、“さじ加減”が大事ということを教えてくれます。 隠れた主役は「ターナーワイド」 小林さん:28cmのフライパンで目玉焼きを作りながら気づいたのが、お皿に盛り付けるときに、よくあるサイズのターナーだと心もとないなって。勢いでシャっと持っていかないといけない。でもポルトガルのナイフメーカー『ICEL』のそれは、幅も長さも余裕があって、しなりを持たせながら簡単に食材の下に差し込むことができます。ステンレスのフライパンとの相性が良く、今日の隠れた主役です(笑)。 BIGな人間になりたければ!? 小林さん:コーティングされているわけではありませんが、高温に熱してから油をしっかり引いて使うと卵が全くくっつかないです。深さがあるので、炒めものの際にも食材がこぼれづらいです。妻に指導してもらいながら、じゃこと小松菜のパスタを作りました。満水時に8ℓ入る大きな鍋はパスタを茹でる時に。麺を対流させることが大事とよく言いますが、この鍋で茹でていただきたいです。そういえば、友人のグラフィックデザイナーが、『借りた物件の大きさに応じて大きな仕事が入ってくる』と言っていました。大きな仕事をしたければ大きな物件を選べ!BIGな人間になりたければBIGな鍋を買え!ってことですね(笑)。 ステンレスのフライパンは使いづらいのでは?と不安に思っている方も多いかもしれない。しかしポイントさえ押さえれば、長く愛用できるアイテム。優れたデザインは小林さんの言葉のとおり、さらに保温性に優れ、食材に熱が均一にすばやく伝わる3層構造など、良いこともたくさん。フッ素加工が好まれる時代、それはそれで役割があるけれど、コーティングをしていないステンレス鍋の良さもある。ALESSIは、ずっと使い続けながら、仲を深めていきたいアイテムだ。 <記事内紹介商品> ALESSI Pots&Pans ストックポット 24cm AJM 100/24 ¥22,000 Icel ターナーワイド ¥4,180 ALESSI Pots&Pans フライパン...

小林和人が選んだもの 「ALESSIの話」

2023/03/06

ひとつの物について深く探っていくことで、物選びがグッと楽しくなる。この連載では、LOST AND FOUNDセレクター・小林和人さんが、このお店で選んだアイテムの中から毎回ひとつをピックアップし、とことん話します。 今回小林さんが話してくれたのは、長く愛用できるステンレス鍋・フライパン「ALESSI」についてです。 NIKKOとの歴史的な関わり 小林さん:ALESSIのデザイナーであるJasper Morrison(ジャスパー・モリソン)は、実はNIKKOと深い関わりがあるんです。2000年代初め頃にIDÉEから発売されていた『MUD COLLECTION』というプロダクトシリーズは、彼がデザインを手がけ、NIKKOのボーンチャイナを使って作られていました。NIKKOのデザイン室長が彼と打合せをした際、『柳宗理のプロダクトを製造している企業と仕事をするのは光栄だ』と言われたそうですよ。 造り手の体温を感じるデザイン 小林さん:Jasper Morrisonのデザインは、シンプルで余分な要素をそぎ落とした“調理道具然”とした感じもありつつ、そこはかとないエレガントさもあります。そのバランスが肝だと思います。鍋の蓋の持ち手は木べらを差して持ち上げる工夫が隠れています。深い鍋の側面はストンとした寸胴鍋のような形状ではなく、ほんの少しだけ、食欲をそそる美味しそうな丸みがあります。これは冷たいステンレスの製品だからこそ映えるデザイン。随所にデザイナーの体温を感じ、チャーミングな印象すら受けます。デザインも料理も、“さじ加減”が大事ということを教えてくれます。 隠れた主役は「ターナーワイド」 小林さん:28cmのフライパンで目玉焼きを作りながら気づいたのが、お皿に盛り付けるときに、よくあるサイズのターナーだと心もとないなって。勢いでシャっと持っていかないといけない。でもポルトガルのナイフメーカー『ICEL』のそれは、幅も長さも余裕があって、しなりを持たせながら簡単に食材の下に差し込むことができます。ステンレスのフライパンとの相性が良く、今日の隠れた主役です(笑)。 BIGな人間になりたければ!? 小林さん:コーティングされているわけではありませんが、高温に熱してから油をしっかり引いて使うと卵が全くくっつかないです。深さがあるので、炒めものの際にも食材がこぼれづらいです。妻に指導してもらいながら、じゃこと小松菜のパスタを作りました。満水時に8ℓ入る大きな鍋はパスタを茹でる時に。麺を対流させることが大事とよく言いますが、この鍋で茹でていただきたいです。そういえば、友人のグラフィックデザイナーが、『借りた物件の大きさに応じて大きな仕事が入ってくる』と言っていました。大きな仕事をしたければ大きな物件を選べ!BIGな人間になりたければBIGな鍋を買え!ってことですね(笑)。 ステンレスのフライパンは使いづらいのでは?と不安に思っている方も多いかもしれない。しかしポイントさえ押さえれば、長く愛用できるアイテム。優れたデザインは小林さんの言葉のとおり、さらに保温性に優れ、食材に熱が均一にすばやく伝わる3層構造など、良いこともたくさん。フッ素加工が好まれる時代、それはそれで役割があるけれど、コーティングをしていないステンレス鍋の良さもある。ALESSIは、ずっと使い続けながら、仲を深めていきたいアイテムだ。 <記事内紹介商品> ALESSI Pots&Pans ストックポット 24cm AJM 100/24 ¥22,000 Icel ターナーワイド ¥4,180 ALESSI Pots&Pans フライパン...