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行方ひさこのLOST AND FOUNDなキッチン -Mardi Gras 和知 徹シェフ前編-

行方ひさこのLOST AND FOUNDなキッチン -Mardi Gras 和知 徹シェフ前編-

2021/12/08

時代を明るくリードしてくれるプロフェッショナルたち。そんな様々な分野にまつわるプロたちが「LOST AND FOUND」から気に入ったアイテムを選び、そこに彩りを添えてくれます。たくさんのものを見て選んできた彼らだからこその、物を選ぶ時のこだわりや、ものと向き合う姿勢を行方ひさこが掘り下げていきます。 和知 徹 シェフ 1967年兵庫県淡路島生まれ。辻調理師専門学校フランス校を卒業し、ブルゴーニュの一つ星「ランパール」で研修。帰国後は「レストランひらまつ」へ入社、在籍中にパリ二つ星「ヴィヴァロア」で研修する。飯倉片町「アポリネール」で料理長を務めた後に退職。1998年六本木「祥瑞」のオーナー勝山晋作氏が銀座にオープンさせた「グレープガンボ」で立ち上げから料理長を務める。2001年「マルディグラ」をオープン。フランス料理にとどまらず、世界各国の料理を独自のフィルターに通した「和知料理」には定評がある。特に肉のスペシャリストとして、雑誌、テレビ、セミナー、イベントを多数こなすほか、カフェやレストランのメニュープロデュースも手掛ける。 今回は食のプロ、Mardi Gras和知 徹シェフをゲストにお迎えしました。 私が和知さんと出会ったのは10代後半にバイトしていた、その当時にしてはまだ珍しかったフレンチレストランでした。その頃のレストランは、今では考えられないほど厳しい男性社会で、厨房には近づいてはいけないような雰囲気が漂ってくることが多かったように思います(笑)。そんな中でバイトは私だけだったので呑気なもので、みなさんに可愛がっていただいていました。 和知さんにはプライベートでも仲良くしていただいていて、食事に連れて行ってもらったり、料理のアドバイスをいただいたりしていました。独立されてからも交流は続き、お店のエプロンやTシャツを制作させていただいたり、最近ではプロジェクトでご一緒したりしています。 今日は、その当時にはなかなか聞けなかった、ものを選択するときに大切にしていることなどをお伺いしていきます。 自分を試したくて、世界に飛び出した 和知さん:かつて働いていたレストランはとても良い待遇で働かせていただいていたので、不満があるわけではなかったんだけど、『もっとやってみたい!』と挑戦したい気持ちが湧いてきて、とにかく外の世界に飛び出して自分がどこまでできるか試してみたかったんだよね。とりあえずNYに行って、そこでお店をはじめてみたいという漠然とした想いがあった。ただ、行ってみたらお店をオープンするのにはビザや事務的なことなど、とにかくハードルが高すぎて断念することに。そこから、世界を周って色々見てみようかなと。 独立にあたって綿密なプランを立てていたのかと思ったのですが、思いの外行き当たりばったりなお答えが返ってきました(笑)。 チャレンジしたくて飛び出して、ダメでもまたそこからチャレンジの旅に出掛け経験を積んだことで今のスタイルが出来上がったと話してくれた和知さんですが、まずは飛び込んでみるという勇気と行動力が素晴らしい! 肉の巨匠と呼ばれて Mardi Grasといえば、「骨太で豪快な料理」ですが、特に和知さんは「肉」のイメージが強いですよね。SNSの書き込みでは、「銀座の肉料理といえば!」「肉の聖地」などと言った書き込みが多くみられます。シンプルな調理法ながら肉の滋味を極限まで引き出した料理の数々は、インパクト抜群なものも多いのが特徴です。 そもそも伝統的なフランス料理のレストランでシェフをしていた和知さんが、なぜ銀座で肉料理に行き着いたのでしょうか。 和知さん:2000年前後に日本でも狂牛病が出てきて、食材に対する意識が激変したの。レストランの役目についても深く考えさせられる事件だったね。レストランで食事をしてもらうということは、ただ単純にお腹を満たす役割だけではないから、畜産・漁業・農業・暮らしそれぞれとバランスよく付き合っていかなくてはダメだなと思った。 そこで、多くの素晴らしい肉料理があるフランス料理をベースに、バランスの取れた『本当の意味での豊かさ』を表現していこうとMardi Grasをオープンさせたんだ。 素材選びから妥協のない和知さんの信念は、ひとつの食材にとことん真剣に向き合うこと。バランスを取ることは実はすごく難しいことだと思うのですが、和知さんは常に自分の足で出向いて自分の五感をフルに使っているからこそ磨かれた感性とバランスが光るだと思います。 和知さん:このMardi Grasも今年で20年経ったけど、これから先ひょっとして海外で店舗をオープンするかもしれないし、色々な可能性をなくしたくないと思ってるんだ。 プロデュースをする店舗や関わるプロジェクトも同じ。いつも可能性を大きく持っていたいから、Mardi Grasと同じことはしない。その場所や環境に合わせて、いつでも大きくチャレンジしたいと思ってるよ。 和知さんの挑戦と弛まない好奇心は止まるところを知らないようです。 全てを受け止めてくれる「白」...

行方ひさこのLOST AND FOUNDなキッチン -Mardi Gras 和知 徹シェフ前編-

2021/12/08

時代を明るくリードしてくれるプロフェッショナルたち。そんな様々な分野にまつわるプロたちが「LOST AND FOUND」から気に入ったアイテムを選び、そこに彩りを添えてくれます。たくさんのものを見て選んできた彼らだからこその、物を選ぶ時のこだわりや、ものと向き合う姿勢を行方ひさこが掘り下げていきます。 和知 徹 シェフ 1967年兵庫県淡路島生まれ。辻調理師専門学校フランス校を卒業し、ブルゴーニュの一つ星「ランパール」で研修。帰国後は「レストランひらまつ」へ入社、在籍中にパリ二つ星「ヴィヴァロア」で研修する。飯倉片町「アポリネール」で料理長を務めた後に退職。1998年六本木「祥瑞」のオーナー勝山晋作氏が銀座にオープンさせた「グレープガンボ」で立ち上げから料理長を務める。2001年「マルディグラ」をオープン。フランス料理にとどまらず、世界各国の料理を独自のフィルターに通した「和知料理」には定評がある。特に肉のスペシャリストとして、雑誌、テレビ、セミナー、イベントを多数こなすほか、カフェやレストランのメニュープロデュースも手掛ける。 今回は食のプロ、Mardi Gras和知 徹シェフをゲストにお迎えしました。 私が和知さんと出会ったのは10代後半にバイトしていた、その当時にしてはまだ珍しかったフレンチレストランでした。その頃のレストランは、今では考えられないほど厳しい男性社会で、厨房には近づいてはいけないような雰囲気が漂ってくることが多かったように思います(笑)。そんな中でバイトは私だけだったので呑気なもので、みなさんに可愛がっていただいていました。 和知さんにはプライベートでも仲良くしていただいていて、食事に連れて行ってもらったり、料理のアドバイスをいただいたりしていました。独立されてからも交流は続き、お店のエプロンやTシャツを制作させていただいたり、最近ではプロジェクトでご一緒したりしています。 今日は、その当時にはなかなか聞けなかった、ものを選択するときに大切にしていることなどをお伺いしていきます。 自分を試したくて、世界に飛び出した 和知さん:かつて働いていたレストランはとても良い待遇で働かせていただいていたので、不満があるわけではなかったんだけど、『もっとやってみたい!』と挑戦したい気持ちが湧いてきて、とにかく外の世界に飛び出して自分がどこまでできるか試してみたかったんだよね。とりあえずNYに行って、そこでお店をはじめてみたいという漠然とした想いがあった。ただ、行ってみたらお店をオープンするのにはビザや事務的なことなど、とにかくハードルが高すぎて断念することに。そこから、世界を周って色々見てみようかなと。 独立にあたって綿密なプランを立てていたのかと思ったのですが、思いの外行き当たりばったりなお答えが返ってきました(笑)。 チャレンジしたくて飛び出して、ダメでもまたそこからチャレンジの旅に出掛け経験を積んだことで今のスタイルが出来上がったと話してくれた和知さんですが、まずは飛び込んでみるという勇気と行動力が素晴らしい! 肉の巨匠と呼ばれて Mardi Grasといえば、「骨太で豪快な料理」ですが、特に和知さんは「肉」のイメージが強いですよね。SNSの書き込みでは、「銀座の肉料理といえば!」「肉の聖地」などと言った書き込みが多くみられます。シンプルな調理法ながら肉の滋味を極限まで引き出した料理の数々は、インパクト抜群なものも多いのが特徴です。 そもそも伝統的なフランス料理のレストランでシェフをしていた和知さんが、なぜ銀座で肉料理に行き着いたのでしょうか。 和知さん:2000年前後に日本でも狂牛病が出てきて、食材に対する意識が激変したの。レストランの役目についても深く考えさせられる事件だったね。レストランで食事をしてもらうということは、ただ単純にお腹を満たす役割だけではないから、畜産・漁業・農業・暮らしそれぞれとバランスよく付き合っていかなくてはダメだなと思った。 そこで、多くの素晴らしい肉料理があるフランス料理をベースに、バランスの取れた『本当の意味での豊かさ』を表現していこうとMardi Grasをオープンさせたんだ。 素材選びから妥協のない和知さんの信念は、ひとつの食材にとことん真剣に向き合うこと。バランスを取ることは実はすごく難しいことだと思うのですが、和知さんは常に自分の足で出向いて自分の五感をフルに使っているからこそ磨かれた感性とバランスが光るだと思います。 和知さん:このMardi Grasも今年で20年経ったけど、これから先ひょっとして海外で店舗をオープンするかもしれないし、色々な可能性をなくしたくないと思ってるんだ。 プロデュースをする店舗や関わるプロジェクトも同じ。いつも可能性を大きく持っていたいから、Mardi Grasと同じことはしない。その場所や環境に合わせて、いつでも大きくチャレンジしたいと思ってるよ。 和知さんの挑戦と弛まない好奇心は止まるところを知らないようです。 全てを受け止めてくれる「白」...

白い器に込められた、愛|行方ひさことJUNNAの石川県訪問

白い器に込められた、愛|行方ひさことJUNNAの石川県訪問

2021/08/04

LOST AND FOUND のメインアイテムである「REMASTERED」は、とてもシンプルながら、一際輝く白い器だ。多くのトップシェフたちに愛されてきたNIKKOの人気ライン「NIKKO FINE BONE CHINA」ニッコーでは1978年ファインボーンチャイナの生産を開始しました。 その特徴は、群を抜いた透光性と優れた強度。 その密度は、50%にまで高められたボーンアッシュの含有量にあります。 通常50%を超えると成形が困難とされていたものを、研究を重ねた末に見事に実現。 それが、世界一とも言われる純白のボーンチャイナをつくりだしています。の中から、現代の暮らしをより豊かに導いてくれるものを選び抜き、再編集(=REMASTERED)したコレクション。そこには細部にわたるこだわりと、多くの職人たちによる手の温もりが隠されている。某日、本サイトで様々な分野にまつわるインタビュー連載をしている、ブランディングディレクターの行方ひさこさんが、「ETRÉ TOKYO」のディレクター・JUNNAさんとともに、石川県にあるNIKKO本社を訪問。白食器「REMASTERED」の奥深さに触れた二人の本社見学を2回に渡ってレポートする。 今回ひさこさんが本社見学の同行者として指名したのは、人気ファッションブランド「ETRÉ TOKYO」のディレクターを務めるJUNNAさん。 ひさこさん:「JUNNAちゃんは、ファッションはもちろん、ライフスタイル全てにおいて美しい感性とセンスを持った方。彼女の作り出すものの世界観に憧れを抱く方が多く、圧倒的な支持を得ているのは納得です。そんな審美眼を持った彼女と一緒に見学をしてみたかったんです。」 JUNNAさん:「私はいつもひさこさんの美しいインスタを見ながら、旅をしている気分を味わっています。 普段あまり器の生産ラインを見るような機会はないのですが、きっとお洋服作りにも通じる部分があるのだと思っています。」 工場見学がスタート!製品の要、“坏土”ができるまで REMASTEREDをはじめ、NIKKOが手がける全ての食器を生産しているのは、石川県白山市。2005年に1市2町5村が合併して誕生した、石川県で金沢市に次いで人口の多いベッドタウンだ。 広大な敷地には、整然と建物が並ぶ。建物の間のノスタルジックな道を歩きながら…JUNNAさん:「この雰囲気、ファッション撮影に使えそう!(笑)」 工場へ向かう途中、社員食堂を抜ける。よく見ると、ずらりと並んだ照明は全て、器と同様にファインボーンチャイナ製。独特のやさしい光がさしている。見学前から、思わず二人ともシャッターチャンス。 次のページへ 『いよいよ工場へ潜入』 1 2 3 4 NEXT PAGE

白い器に込められた、愛|行方ひさことJUNNAの石川県訪問

2021/08/04

LOST AND FOUND のメインアイテムである「REMASTERED」は、とてもシンプルながら、一際輝く白い器だ。多くのトップシェフたちに愛されてきたNIKKOの人気ライン「NIKKO FINE BONE CHINA」ニッコーでは1978年ファインボーンチャイナの生産を開始しました。 その特徴は、群を抜いた透光性と優れた強度。 その密度は、50%にまで高められたボーンアッシュの含有量にあります。 通常50%を超えると成形が困難とされていたものを、研究を重ねた末に見事に実現。 それが、世界一とも言われる純白のボーンチャイナをつくりだしています。の中から、現代の暮らしをより豊かに導いてくれるものを選び抜き、再編集(=REMASTERED)したコレクション。そこには細部にわたるこだわりと、多くの職人たちによる手の温もりが隠されている。某日、本サイトで様々な分野にまつわるインタビュー連載をしている、ブランディングディレクターの行方ひさこさんが、「ETRÉ TOKYO」のディレクター・JUNNAさんとともに、石川県にあるNIKKO本社を訪問。白食器「REMASTERED」の奥深さに触れた二人の本社見学を2回に渡ってレポートする。 今回ひさこさんが本社見学の同行者として指名したのは、人気ファッションブランド「ETRÉ TOKYO」のディレクターを務めるJUNNAさん。 ひさこさん:「JUNNAちゃんは、ファッションはもちろん、ライフスタイル全てにおいて美しい感性とセンスを持った方。彼女の作り出すものの世界観に憧れを抱く方が多く、圧倒的な支持を得ているのは納得です。そんな審美眼を持った彼女と一緒に見学をしてみたかったんです。」 JUNNAさん:「私はいつもひさこさんの美しいインスタを見ながら、旅をしている気分を味わっています。 普段あまり器の生産ラインを見るような機会はないのですが、きっとお洋服作りにも通じる部分があるのだと思っています。」 工場見学がスタート!製品の要、“坏土”ができるまで REMASTEREDをはじめ、NIKKOが手がける全ての食器を生産しているのは、石川県白山市。2005年に1市2町5村が合併して誕生した、石川県で金沢市に次いで人口の多いベッドタウンだ。 広大な敷地には、整然と建物が並ぶ。建物の間のノスタルジックな道を歩きながら…JUNNAさん:「この雰囲気、ファッション撮影に使えそう!(笑)」 工場へ向かう途中、社員食堂を抜ける。よく見ると、ずらりと並んだ照明は全て、器と同様にファインボーンチャイナ製。独特のやさしい光がさしている。見学前から、思わず二人ともシャッターチャンス。 次のページへ 『いよいよ工場へ潜入』 1 2 3 4 NEXT PAGE

REMASTEREDな食卓 -モデル/女優 高山都 編-

REMASTEREDな食卓 -モデル/女優 高山都 編-

2021/07/15

NIKKO 113年の歴史の中で作り上げた膨大なアーカイブの中からセレクトし、次の100年に向けてのエッセンスを加えた、ベーシックを越えたベーシックライン「REMASTERD」。それは、こだわりを詰め込んで美しくよみがえった、時が経っても色褪せない新しい「白」い器です。身のまわりのことをデザインしながら日々自分らしく暮らすロフェッショナルたちの食卓に、REMASTERDが並んだら。 初回はモデル・女優の高山都さんのある日の食卓へ。ご自宅に友人や仕事仲間を招いて食事を振る舞うことが多い都さん。器を通して、自分なりの心地良さについてや心豊かに過ごす工夫など、なにげない日常の中のあれこれをお伺いしていきます。 REMASTERED ディーププレート 26 には、オリーブオイルと柚子胡椒とレモンで豚しゃぶとおかひじきを和えた一品を SNSで発信する料理ライブを始め、いつも美味しいものと笑顔に囲まれている都さんですが、お客様をお招きする時に大切にしていることはどんなことでしょうか。「お客さんの性別、好みや、アレルギーを聞いてバランスよく!たとえば、女性が多かったら野菜多めでヘルシーにするとか。男性がいたらしっかりめのメニューを加えますね。一品揚げ物を入れたりすると、一気にご馳走感も出るのでおすすめです。音選びも、お客さんにあわせて懐メロからジャズ、クラシックまで色々と変えて楽しんでいます。」 今回は友人でも仕事仲間でもある女子3人の食卓。蒸し暑く不快な夜を吹き飛ばすよう、栄養価を考えた野菜たっぷりのさっぱりとしたメニューです。都さんお得意の春巻きは、コーンのサブジ入り。 たくさんの方々をお招きしていると思いますが、毎回メニュー選びに困ったりしないのでしょうか。 「メニューは、外食で美味しかったものや本で見て気になったものを、家にあるものとスーパーにある食材でアレンジして、自分なりに再現してみたりします。オリーブオイルと柚子胡椒とレモンで豚しゃぶとおかひじきを和える今回の一品(写真)のように、ベースの調味料の配合を知っていたら、そこを活かしたりしてメニューの幅を広げます。」 REMASTERED ラウンドプレート 26 には、ズッキーニの焼き浸し 最近では、選ぶ器が変わってきていると伺いましたが、“白い器”を選ぶのはどんな時ですか?「白い器を楽しめるようになったのは、実は最近なんです。食材の色合わせや飾るハーブなどでテーブルが単調にならないように気をつけています。フランスや日本、ベトナムの古いものなど、白が入っている作家さんの器と合わせて使うことが多いですね。」 最近、引越しをされ、家具を新調された都さんですが、ご自身にとって食卓とはどんな存在ですか?「ひとりの時も、誰かといる時もほっとする場所。今回のテーブルは角を取り、丸くなったので、人との距離感も調節しやすくなりました。すこし広すぎたかな(笑)なんて思うこともあるけど、この少し窮屈なご時世が終わったら、10人くらいでワイワイ囲めたら楽しいなーと未来に希望を抱いています。」 白い器を使いこなせるようになったことで、食卓の幅がさらに広がってきていると話してくれた都さん。フランスのヴィンテージや、有田焼の染付けの器に「REMASTERD」をこなれたテーブルコーディネートはもちろん、季節の食材を使ったヘルシーでとても温かいテーブルは真似したいところばかり。「白い器の余白をまだまだ楽しんでいきたい。シーンによって使い方、選び方、合わせ方、アレンジの仕方もたくさんあるから楽しいんですよね。」 極限まで削ぎ落とされたシンプルな白い器だからこそ、楽しめる余白も広い。夏は涼しく冬は暖かく、大人の集いを華やかにもてなしてくれる「REMASTERD」の白い器たち。朝の光の下、夜の照明の下でも余白の分だけ深みが増します。ぜひ、暮らしの中で実感していただけたら。   <記事内紹介商品>   高山都 モデル/女優女優、ファッションモデル、ラジオパーソナリティとして幅広い分野で活躍中。雑誌、新聞、WEBとさまざまな媒体で連載も。センスあふれるインスタグラムも人気で、私服コーデや「#みやれゴハン」として料理や器を紹介する投稿も話題。すでに4冊になる著書「高山都の美食姿」(双葉社刊)シリーズも好調。interview & text by Hisako Namekata

REMASTEREDな食卓 -モデル/女優 高山都 編-

2021/07/15

NIKKO 113年の歴史の中で作り上げた膨大なアーカイブの中からセレクトし、次の100年に向けてのエッセンスを加えた、ベーシックを越えたベーシックライン「REMASTERD」。それは、こだわりを詰め込んで美しくよみがえった、時が経っても色褪せない新しい「白」い器です。身のまわりのことをデザインしながら日々自分らしく暮らすロフェッショナルたちの食卓に、REMASTERDが並んだら。 初回はモデル・女優の高山都さんのある日の食卓へ。ご自宅に友人や仕事仲間を招いて食事を振る舞うことが多い都さん。器を通して、自分なりの心地良さについてや心豊かに過ごす工夫など、なにげない日常の中のあれこれをお伺いしていきます。 REMASTERED ディーププレート 26 には、オリーブオイルと柚子胡椒とレモンで豚しゃぶとおかひじきを和えた一品を SNSで発信する料理ライブを始め、いつも美味しいものと笑顔に囲まれている都さんですが、お客様をお招きする時に大切にしていることはどんなことでしょうか。「お客さんの性別、好みや、アレルギーを聞いてバランスよく!たとえば、女性が多かったら野菜多めでヘルシーにするとか。男性がいたらしっかりめのメニューを加えますね。一品揚げ物を入れたりすると、一気にご馳走感も出るのでおすすめです。音選びも、お客さんにあわせて懐メロからジャズ、クラシックまで色々と変えて楽しんでいます。」 今回は友人でも仕事仲間でもある女子3人の食卓。蒸し暑く不快な夜を吹き飛ばすよう、栄養価を考えた野菜たっぷりのさっぱりとしたメニューです。都さんお得意の春巻きは、コーンのサブジ入り。 たくさんの方々をお招きしていると思いますが、毎回メニュー選びに困ったりしないのでしょうか。 「メニューは、外食で美味しかったものや本で見て気になったものを、家にあるものとスーパーにある食材でアレンジして、自分なりに再現してみたりします。オリーブオイルと柚子胡椒とレモンで豚しゃぶとおかひじきを和える今回の一品(写真)のように、ベースの調味料の配合を知っていたら、そこを活かしたりしてメニューの幅を広げます。」 REMASTERED ラウンドプレート 26 には、ズッキーニの焼き浸し 最近では、選ぶ器が変わってきていると伺いましたが、“白い器”を選ぶのはどんな時ですか?「白い器を楽しめるようになったのは、実は最近なんです。食材の色合わせや飾るハーブなどでテーブルが単調にならないように気をつけています。フランスや日本、ベトナムの古いものなど、白が入っている作家さんの器と合わせて使うことが多いですね。」 最近、引越しをされ、家具を新調された都さんですが、ご自身にとって食卓とはどんな存在ですか?「ひとりの時も、誰かといる時もほっとする場所。今回のテーブルは角を取り、丸くなったので、人との距離感も調節しやすくなりました。すこし広すぎたかな(笑)なんて思うこともあるけど、この少し窮屈なご時世が終わったら、10人くらいでワイワイ囲めたら楽しいなーと未来に希望を抱いています。」 白い器を使いこなせるようになったことで、食卓の幅がさらに広がってきていると話してくれた都さん。フランスのヴィンテージや、有田焼の染付けの器に「REMASTERD」をこなれたテーブルコーディネートはもちろん、季節の食材を使ったヘルシーでとても温かいテーブルは真似したいところばかり。「白い器の余白をまだまだ楽しんでいきたい。シーンによって使い方、選び方、合わせ方、アレンジの仕方もたくさんあるから楽しいんですよね。」 極限まで削ぎ落とされたシンプルな白い器だからこそ、楽しめる余白も広い。夏は涼しく冬は暖かく、大人の集いを華やかにもてなしてくれる「REMASTERD」の白い器たち。朝の光の下、夜の照明の下でも余白の分だけ深みが増します。ぜひ、暮らしの中で実感していただけたら。   <記事内紹介商品>   高山都 モデル/女優女優、ファッションモデル、ラジオパーソナリティとして幅広い分野で活躍中。雑誌、新聞、WEBとさまざまな媒体で連載も。センスあふれるインスタグラムも人気で、私服コーデや「#みやれゴハン」として料理や器を紹介する投稿も話題。すでに4冊になる著書「高山都の美食姿」(双葉社刊)シリーズも好調。interview & text by Hisako Namekata

行方ひさこのNIKKO LOST AND FOUNDなキッチン -unis薬師神 陸シェフ後編-

行方ひさこのNIKKO LOST AND FOUNDなキッチン -unis薬師神 陸シェフ後編-

2021/05/18

時代を明るくリードしてくれる様々な分野にまつわるプロフェッショナルたち。そんなプロたちに事前に「LOST AND FOUND」からアイテム選んでいただき、実際に使われた実感や感想などをお伺いしていきます。たくさんのものを見て、選んできた彼らだからこその物を選ぶ時のこだわりなど、ものとの向き合う姿勢をブランディングディレクター行方ひさこが掘り下げていきます。 前回はunis薬師神シェフをゲストにお迎えし 事前に選んでいただいたREMASTERD「7cmタンブラー」&「ティースプーン」にふさわしい一品、「そら豆とつぶ貝のミモレットフラン」を作っていただきました。どんなシチュエーションにも馴染むREMASTERDのアイテムたちは、日々の時間の中で使い手と一緒に育っていきます。シンプルだからこそのその余白を活かした様々な使い方を楽しんでいただけたら。 初夏の爽やかな風を運んでくれる洋風茶碗蒸しのようなこちらの一品は、特別な材料がなくても簡単に作れるもの。「ベースのミモレットフランは、様々な食材に相性がいいので、季節ごとに香ばしくソテーしたガルニを合わせて試してみてください。」と薬師神シェフからのメッセージ。プロのレシピをマスターして、ご自宅で楽しんでみてはいかがでしょう。 そら豆とつぶ貝のミモレットフランの作り方 ■ミモレットのフランを作る 1. 軽く温めたチキンブイヨンとミモレットチーズをミキサーに入れしっかりと撹拌し溶かす。 2. あら熱が取れたところに全卵を加え混ぜ合わせ、濾す。 ■そら豆のフォームを作る1. 材料を全てミキサーに入れしっかりと撹拌し、濾す。 2. 60度に温め、ハンドブレンダーで泡立てる。■仕上げ1. 器にフランのベースを流し、90度のスチームで20分火を通す。2. 熱したフライパンにそら豆と一口大のつぶ貝を強火でソテーする。 3. 薄口醤油で香ばしさをつける。 4. 蒸しあがったフランの上に具材(ガルニチュール)をのせ、そら豆のフォームを載せれば完成。 材料 ■ミモレットのフランチキンブイヨン 100gミモレットチーズ 25g全卵 30g ■そら豆のフォームむきそら豆 60g牛乳 140g35%生クリーム60g塩 2g■ガルニチュールツブ貝...

行方ひさこのNIKKO LOST AND FOUNDなキッチン -unis薬師神 陸シェフ後編-

2021/05/18

時代を明るくリードしてくれる様々な分野にまつわるプロフェッショナルたち。そんなプロたちに事前に「LOST AND FOUND」からアイテム選んでいただき、実際に使われた実感や感想などをお伺いしていきます。たくさんのものを見て、選んできた彼らだからこその物を選ぶ時のこだわりなど、ものとの向き合う姿勢をブランディングディレクター行方ひさこが掘り下げていきます。 前回はunis薬師神シェフをゲストにお迎えし 事前に選んでいただいたREMASTERD「7cmタンブラー」&「ティースプーン」にふさわしい一品、「そら豆とつぶ貝のミモレットフラン」を作っていただきました。どんなシチュエーションにも馴染むREMASTERDのアイテムたちは、日々の時間の中で使い手と一緒に育っていきます。シンプルだからこそのその余白を活かした様々な使い方を楽しんでいただけたら。 初夏の爽やかな風を運んでくれる洋風茶碗蒸しのようなこちらの一品は、特別な材料がなくても簡単に作れるもの。「ベースのミモレットフランは、様々な食材に相性がいいので、季節ごとに香ばしくソテーしたガルニを合わせて試してみてください。」と薬師神シェフからのメッセージ。プロのレシピをマスターして、ご自宅で楽しんでみてはいかがでしょう。 そら豆とつぶ貝のミモレットフランの作り方 ■ミモレットのフランを作る 1. 軽く温めたチキンブイヨンとミモレットチーズをミキサーに入れしっかりと撹拌し溶かす。 2. あら熱が取れたところに全卵を加え混ぜ合わせ、濾す。 ■そら豆のフォームを作る1. 材料を全てミキサーに入れしっかりと撹拌し、濾す。 2. 60度に温め、ハンドブレンダーで泡立てる。■仕上げ1. 器にフランのベースを流し、90度のスチームで20分火を通す。2. 熱したフライパンにそら豆と一口大のつぶ貝を強火でソテーする。 3. 薄口醤油で香ばしさをつける。 4. 蒸しあがったフランの上に具材(ガルニチュール)をのせ、そら豆のフォームを載せれば完成。 材料 ■ミモレットのフランチキンブイヨン 100gミモレットチーズ 25g全卵 30g ■そら豆のフォームむきそら豆 60g牛乳 140g35%生クリーム60g塩 2g■ガルニチュールツブ貝...

行方ひさこのLOST AND FOUNDなキッチン -unis 薬師神 陸シェフ 前編

行方ひさこのLOST AND FOUNDなキッチン -unis 薬師神 陸シェフ 前編

2021/05/13

時代を明るくリードしてくれる様々な分野にまつわるプロフェッショナルたち。そんなプロたちが「LOST AND FOUND」からアイテムを選び、そこに彩りを添えてくれます。たくさんのものを見て、選んできた彼らだからこその物を選ぶ時のこだわりや、ものとの向き合う姿勢を行方ひさこが掘り下げていきます。 今回は食のプロ、unisの薬師神 陸さんをゲストにお迎えしました。薬師神さんとは彼の独立を機にやりとりをするようになり、仕事も、生産者さんを一緒にまわったりもする間柄。独立し自身のお店を構えたばかりの彼だからこそ、この企画にふさわしいと、お声がけさせていただきました。 彼が迷わず選んだのは、REMASTERDの「7cmタンブラー」&「ティースプーン」。初回にふさわしくコース1品目のアペタイザーとしての器を選んでくれました。「多くの品数を提供する僕のお店では、このくらいのコンパクトなサイズが一皿の容量にちょうどよいと思って選びました。そして何よりどの季節でも合いそうだから。」 「unis」のコースは、全11皿からなる贅沢なコースです。 「完成されすぎた美しすぎる器は食事を選んでしまう。だから僕は、足し算ができる余白のある器を選びます。」 昨年オープンしたばかりの薬師神さんのレストラン「unis」のコンセプトは、「無垢」の世界観。大理石、木、土、革、和紙、陶磁器……できるだけ天然素材を使って内装を作り上げていったそう。店内の照明も時間によって自在に切り替えています。「明かりを楽しむというより影を楽しむ。柔らかい影を作るというのも大切な『無垢」の世界観だと思うんです。」  普段彼がお店のために選ぶ器は、完全にオリジナルで製作されたもの。コースの構成をある程度固めた後にコンセプトを作家さんに伝え、何度もディスカッションと試作を重ねて作り上げていったといいます。今まで数々の地方を訪れた際に出会った作家さんたちのそれぞれのデザインと技術の特性を活かしつつ、伝統的な柄を入れたり地方の特性を入れてみたり。緊急事態宣言でオープン日が後ろ倒しになった分、時間をかけてじっくりと向き合い、可能性を探っていったそう。とはいえ、奇をてらったような器たちではなく、そのほとんどが白。「白と言っても艶のあるものやマットなもの、そしてその土地土地や素材によって『白」という色も複数ある。そのあたりも『無垢」として活かしていきたかった。」と、それも大切にしている薬師神的ナチュラルティ=「無垢」の世界観の表現の1つです。そんな「無垢」な世界観にこだわったのは、完成してしまった空間では余白がなく四季を感じられないから。「年4回撮り下ろす映像演出によるデジタルなコミュニケーションで食材と共に季節感を感じてもらいたい。」と話してくれました。インタビューをさせていただいたこの日は、今年の春の屋久島の深い緑が店内に彩りとしっとりとした空気を添えていました。プライベートでものを選ぶ時も、完全に一目惚れタイプ。佇まいや空気感に気持ちを持っていかれることが多いそう。「一目惚れの相手をどんどん深掘りして、他にどんなものがあるのか、できるのかを探っていくのが楽しい(笑)。」   ものを選ぶ時に薬師神さんが大切にしていることは、「足し算ができる余白がある」こと。そこになにか足すことで完成する世界観は、決められたゴールがあるよりも何倍もの可能性が広がるはず。自分たちでは決して作り出すことができない天然の素材感を大切にしながら、というところにも薬師神さんの自然と対峙する姿勢が垣間見える気がします。先が読みづらい今の時期のコミュニケーションに大切なことは、いかに楽しんでスマートに余白を活かしきるかということではないでしょうか。薬師神さんが選び、彩りを添えてくれた今回の7cmタンブラーとスプーン。さりげないサイズと形状、そして重さまでもが絶妙にしっくりとくるアイテムです。前菜からデザートまで料理を選ばず、その余白とポテンシャルで料理をより引き立ててくれることでしょう。 器を彩るために作ってくれたメニューは、「そら豆とつぶ貝のミモレットフラン」。実際にこの時期にお店で提供されているメニューです。季節を感じられるそら豆の香りとミモレットチーズの深いコク、つるんとした口溶けの中につぶ貝の歯応えが楽しい一品です。詳しいレシピは次回公開予定! <記事内紹介商品> 薬師神 陸 Chef / Curinary Producer @rikuyakusijin1988年愛媛県生まれ。2008年辻調理師専門学校フランス料理講師としてスタートし、教育からテレビ料理監修など幅広く活躍。 2014年から予約困難『SUGALABO』の立ち上げから須賀洋介シェフの右腕として同店を支えた。2019年に独立し、2020年食のインキュベーション事業「Social Kitchen」と併設するレストラン「unis」で新しい料理人の働き方を自ら体現する。全国の600以上を超える生産者とのコネクションを生かし〝食のリテラシーを磨く〟をコンセプトに、商品開発、メニュー監修など多彩に活動する。unis東京都港区虎ノ門1-23-3 虎ノ門ヒルズガーデンハウス1FSocial Kitchen TORANOMON内https://unis-anniversary.com行方ひさこ@hisakonamekatainterview & text by Hisako Namekata ~~photo by Naoki...

行方ひさこのLOST AND FOUNDなキッチン -unis 薬師神 陸シェフ 前編

2021/05/13

時代を明るくリードしてくれる様々な分野にまつわるプロフェッショナルたち。そんなプロたちが「LOST AND FOUND」からアイテムを選び、そこに彩りを添えてくれます。たくさんのものを見て、選んできた彼らだからこその物を選ぶ時のこだわりや、ものとの向き合う姿勢を行方ひさこが掘り下げていきます。 今回は食のプロ、unisの薬師神 陸さんをゲストにお迎えしました。薬師神さんとは彼の独立を機にやりとりをするようになり、仕事も、生産者さんを一緒にまわったりもする間柄。独立し自身のお店を構えたばかりの彼だからこそ、この企画にふさわしいと、お声がけさせていただきました。 彼が迷わず選んだのは、REMASTERDの「7cmタンブラー」&「ティースプーン」。初回にふさわしくコース1品目のアペタイザーとしての器を選んでくれました。「多くの品数を提供する僕のお店では、このくらいのコンパクトなサイズが一皿の容量にちょうどよいと思って選びました。そして何よりどの季節でも合いそうだから。」 「unis」のコースは、全11皿からなる贅沢なコースです。 「完成されすぎた美しすぎる器は食事を選んでしまう。だから僕は、足し算ができる余白のある器を選びます。」 昨年オープンしたばかりの薬師神さんのレストラン「unis」のコンセプトは、「無垢」の世界観。大理石、木、土、革、和紙、陶磁器……できるだけ天然素材を使って内装を作り上げていったそう。店内の照明も時間によって自在に切り替えています。「明かりを楽しむというより影を楽しむ。柔らかい影を作るというのも大切な『無垢」の世界観だと思うんです。」  普段彼がお店のために選ぶ器は、完全にオリジナルで製作されたもの。コースの構成をある程度固めた後にコンセプトを作家さんに伝え、何度もディスカッションと試作を重ねて作り上げていったといいます。今まで数々の地方を訪れた際に出会った作家さんたちのそれぞれのデザインと技術の特性を活かしつつ、伝統的な柄を入れたり地方の特性を入れてみたり。緊急事態宣言でオープン日が後ろ倒しになった分、時間をかけてじっくりと向き合い、可能性を探っていったそう。とはいえ、奇をてらったような器たちではなく、そのほとんどが白。「白と言っても艶のあるものやマットなもの、そしてその土地土地や素材によって『白」という色も複数ある。そのあたりも『無垢」として活かしていきたかった。」と、それも大切にしている薬師神的ナチュラルティ=「無垢」の世界観の表現の1つです。そんな「無垢」な世界観にこだわったのは、完成してしまった空間では余白がなく四季を感じられないから。「年4回撮り下ろす映像演出によるデジタルなコミュニケーションで食材と共に季節感を感じてもらいたい。」と話してくれました。インタビューをさせていただいたこの日は、今年の春の屋久島の深い緑が店内に彩りとしっとりとした空気を添えていました。プライベートでものを選ぶ時も、完全に一目惚れタイプ。佇まいや空気感に気持ちを持っていかれることが多いそう。「一目惚れの相手をどんどん深掘りして、他にどんなものがあるのか、できるのかを探っていくのが楽しい(笑)。」   ものを選ぶ時に薬師神さんが大切にしていることは、「足し算ができる余白がある」こと。そこになにか足すことで完成する世界観は、決められたゴールがあるよりも何倍もの可能性が広がるはず。自分たちでは決して作り出すことができない天然の素材感を大切にしながら、というところにも薬師神さんの自然と対峙する姿勢が垣間見える気がします。先が読みづらい今の時期のコミュニケーションに大切なことは、いかに楽しんでスマートに余白を活かしきるかということではないでしょうか。薬師神さんが選び、彩りを添えてくれた今回の7cmタンブラーとスプーン。さりげないサイズと形状、そして重さまでもが絶妙にしっくりとくるアイテムです。前菜からデザートまで料理を選ばず、その余白とポテンシャルで料理をより引き立ててくれることでしょう。 器を彩るために作ってくれたメニューは、「そら豆とつぶ貝のミモレットフラン」。実際にこの時期にお店で提供されているメニューです。季節を感じられるそら豆の香りとミモレットチーズの深いコク、つるんとした口溶けの中につぶ貝の歯応えが楽しい一品です。詳しいレシピは次回公開予定! <記事内紹介商品> 薬師神 陸 Chef / Curinary Producer @rikuyakusijin1988年愛媛県生まれ。2008年辻調理師専門学校フランス料理講師としてスタートし、教育からテレビ料理監修など幅広く活躍。 2014年から予約困難『SUGALABO』の立ち上げから須賀洋介シェフの右腕として同店を支えた。2019年に独立し、2020年食のインキュベーション事業「Social Kitchen」と併設するレストラン「unis」で新しい料理人の働き方を自ら体現する。全国の600以上を超える生産者とのコネクションを生かし〝食のリテラシーを磨く〟をコンセプトに、商品開発、メニュー監修など多彩に活動する。unis東京都港区虎ノ門1-23-3 虎ノ門ヒルズガーデンハウス1FSocial Kitchen TORANOMON内https://unis-anniversary.com行方ひさこ@hisakonamekatainterview & text by Hisako Namekata ~~photo by Naoki...